恥ずかしながらあまり知識を持たないままの参加でした。会場は女性ばかりかと思いきや…男性が意外にたくさんで、驚きました。 最終参加人数発表では、6対4くらいで男性の方が多かったです。
集会会場近くの有楽町では当日の日中、国際女性デーのシンボルであるバラの配布があったため、会場にもバラがちらほら見えていました。
基調提起では、「2015春季生活闘争の取り組み、女性の活躍促進の取り組み」として、連合の第4次男女平等参画推進計画の3つの目標 1、ディーセントワークの実現と女性の活躍促進、2、仕事と生活の調和、3、多様な仲間の結集と労働の活性化、と数値目標の話がありました。
メインの講演では、「女性の労働意欲を阻害しないために必要な施策は何か ―差別の禁止とWLB―」と題して、早稲田大学大学院法務研究科の浅倉むつ子教授のお話がありました。2010年には、女性の方が男性より大学卒業率が高くなり、高学歴化していますが、未だ出産に伴い退職する女性は6割でM字型カーブは顕著に存在し、管理職女性は全体の1割に満たず、男女で賃金格差もあるというのが日本のジェンダー格差の現実です。
一般企業では採用時から男女格差があったり、昇級のシステムが男女で違うこともあり、出産に伴う退職や女性管理職の少なさに繋がっています。その解消のためには、男女平等なWLBの実現が必要という話が講演の核でした。
しかし、年休取得率の低さや、子育て世代の30台男性に残業による長時間労働者が多いという日本の労働時間の現状があり、労働時間の上限を法律に明記するなどの労働時間短縮の法政策が何としても必要であるとのことでした。
また、育児介護休暇制度は法制化されているものの、夫が男性であるゆえに育休を取らない、取れない風潮があって産む性である女性の負担が大きいままであることや、妊娠・出産を理由とする差別やいやがらせ、いわゆるマタハラ(マタニティーハラスメント)があり、6割の女性が妊娠・出産を契機に退職している現状があります。妊娠を理由に労働契約更新がされなかった、産休取得前に解雇になった、産育休がボーナスや昇格試験に不利になった、育休明けに元の役職に戻れなかったなどの不利益もまだたくさんあることが、具体例や判例として示されました。
まとめとして、雇用差別をなくすこと、妊娠・出産を契機とするいかなる不利益も許さないこと、男性の働きかたを変えることの3つが挙げられました。
講演後は、ビデオレターと舞台上に集まっての決意表明、集会アピールがあり、「連帯で強くなれる」の歌を歌って閉会になりました。
講演が大部分を占めましたが、自分は、日本の社会で男女格差がここまであるとの認識がなかったので、女性として知るべきだと身が引き締まる思いでした。数値や具体例が示されて理解しやすい講演でした。
女性特有の不利益に対しては、女性部として精査・検討し、団結して声をあげていく必要があると感じました。月経、産前産後休暇、育休、または婦人科疾患・不妊等の治療など、産む性である女性特有の事柄に対し、それが労働上で不利益になるべきではないと改めて感じました。
講演のタイトルのように、「女性の労働意欲を阻害しない」ような日本社会のシステムになれば、少子化にも歯止めがかかり、経済効果もあるのではないでしょうか。ただその際には例えば女性特有の生理休暇が制度化された経緯などを知る必要もあると感じました。
今後、女性が働き続けやすい社会や、男女格差について意識して生活していきたいと思います。
女性部 大島郁子
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