政党とは何か。深く考えさせられた総選挙だった。民進党、そして希望の党の顛末(てんまつ)を言い募っても仕方ない。ただ、この二十数年の政党政治の混迷が極まった、その象徴のような結果になった。
安倍晋三首相に不満があるが、いきなり野党に政権を任せようとは思わない。政権選択というのなら、消極的ながら自公政権に託すしかない――。そう考えた有権者が多かったのではないでしょうか。結果として、不支持率の高い首相が圧倒的議席を得て、続投になった。恐ろしい結果です。
気に入らない結果がもう一つ。当選者465人のうち女性は47人。全議員のうち10.1%で、選挙前の9.3%から微増しただけで、列国議会同盟(IPU)の昨年9月時点の調査にあてはめると、193カ国中160位台にとどまる。伸び悩んだ大きな要因は、与党の女性候補者の少なさです。今回の候補者に占める女性の割合は17.7%と過去最高となったが、自民党は7.5%。当選者に占める割合は7.7%だけ。
政治学の専門家は「トップが号令をかけないと変えるのは難しい。安倍晋三首相は女性活躍を掲げるなら自分の党から変えるべきだ―と指摘します。
当選した女性議員の一人は「新人としてはありえないほど取り上げてもらった。ただワイドショー的な取り上げられ方で、なかなか政策の内容は触れられなかった」と残念がる。子育て中の女性候補もいました。女性議員の活躍に期待したい。
|