11月12日〜14日、富山市オーバードホールで「譲れない命の尊厳!人権・戦争・沖縄 憲法理念の実現をめざす第53回護憲大会」が開かれました。全国から1,800人、自治労横浜から2人が参加しました。3日間にわたり、憲法改悪問題、緊急事態条項と自衛隊派遣問題、沖縄の新基地建設問題などの課題で、問題提起と討論が行われました。
安倍政権のこれから
アベノミクス、憲法、沖縄
初日は開会総会の後、メイン企画の「漂流する日本政治 安倍政権のこれから」をテーマに、3本の提起がありました。
はじめに「アベノミクスと格差社会」横浜市立大学の金子文夫名誉教授がアベノミクスの失敗を解説「企業本位の政治は終わり、分配の図式は成立しない。格差解消、中間層復活を支える子育て・教育支援、社会保障が必要」と提起。
次に「安倍政権の憲法とは」日本体育大学の清水雅彦教授から自民党改憲案の主な内容と問題点が示され、緊急事態条項論と南スーダンPKO派遣問題に触れ「南スーダンでは停戦合意が崩れているのが現状、自衛隊員は危険。『当事者間で停戦合意が成立』等のPKO派遣5原則が守られていない」と提起されました。
3本目は「沖縄の現状から」名桜大学の大城渡上級准教授が警察・公安委員会制度の歴史的沿革、市民と警察の関係、高江問題の法的検討の解説後「辺野古や高江での警察活動は、警察行政・警察活動の根幹が市民感覚によって厳しくとわれるのもやむを得ない」と提起されました。
安保関連法施行と自衛隊の変化
2日目の分科会、自治労横浜からは「非核・平和・安全保障」に参加。講師は東京新聞論説兼編集委員半田滋さん。「安全保障関連法施行による自衛隊の変化」として南スーダンPKOのジブチ拠点の変容の現実が報告され、PKO派遣の5原則について問題提起されました。後半は大城渡さんから「外交・安全保障権限と地方自治の緊急関係とその調整」として、「地方自治体には憲法92条にある、国権の最高機関である国会も制約できない自治権が保障されている。沖縄で基地建設に反対する民意が無視され続けていることは、沖縄の自治権を侵害し、違憲である」と報告されました。
午後は「女性と人権」をテーマに「米騒動とおかかたち」の講演がありました。
憲法の目的は国民の利益守ること
最終日の閉会総会で実行委員会事務局長の平和フォーラム勝島事務局長が「憲法違反を続ける政府に対抗するために、全国の連帯をお願いしたい」と大会のまとめがありました。
憲法の目的は国民の利益を守るためであり、国家の優位性で国民を縛るものではありません。自治労横浜は引き続き平和憲法を守るため、取り組みを強めていきます。
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