高い放射線量 ホットスポット
立ち入り禁止区域のそばでは現在でも103μSv/hあること、モニタリングポストのある場所は、土を入れ替え鉄板を敷いているため線量が低いこと、坂道下の草むらは65μSv/hあり、ホットスポットとして放射線量の高い場所は居住地域でもまだまだ身近にあります。
鮫川村焼却炉
福島県鮫川村に、放射性物質に汚染された草木や稲ワラなどの農業資材を焼却して減容化する実験施設が作られましたが、本稼働からわずか9日で事故を起こして止まっています。この地域は現在農業が行える地域ですが、焼却炉から出る排気であらたに放射能被害を受ける危険性があります。また稼働を前に地権者の一人が「同意文書を偽造された」として訴えを起こしています。
除染作業
除染には莫大なお金が投入され、大手ゼネコンに仕事は発注されていますが、現場で働いている人は原発事故で農業や林業、酪農など仕事や住む場所を奪われた福島の人達です。緑豊かだった土地が、庭の草木が切られ土も入れ替えられたため、殺風景になりました。また取り除かれた土などは保管場所がなく家の周りに山積みにされ放置されたままです。国はこれらの廃棄物をできるだけ市町村において焼却し高濃度焼却灰を埋め立てようとしており、第二の原発事故と呼ばれる再汚染をもたらそうとしています。
高濃度汚染水
福島原発の地盤は砂のような土壌のため、タンクなどから漏れている汚染水は地下水にまで入り込み、海にも流れ込んでいます。オリンピック招致での安倍首相の「フクシマをコントロールしている」という言葉に福島県民は驚きあきれました。
福島原発告訴団
12年11月には「福島原発告訴団」14,716人が福島原発事故の責任を国と東電側に求めて福島地裁に告訴・告発を行いました。これに対し9月9日日本中が2020年東京五輪・パラリンピック開催決定に沸く中で、東京地検は「却下」を言い渡しました。不起訴の理由は、津波の可能性を予見することはできなかった。ということです。津波は予測できなくても津波対策はできたはずです。汚染水の対策もなされませんでした。これでも罪は問えないのでしょうか。
里山喫茶「燦(きらら)」
養護学校に勤めながら山の土地を開墾し、50歳で退職した時に山の中で小さな喫茶店「燦」を始めました。そこは自然の美しさに満ちていました。春の花々、山菜、山鳥の羽音や鳴き声、きれいな色の虫たち、ドングリを使って調理をするなど四季折々の美しさの中で16年間暮らしていましたが、事故後暖房や煮炊きのための薪は9,000ベクレルとなり、もう戻る事はできません。
最後に
原発は犠牲の上に建つと思っていましたが、事故が起こって改めて見せつけられました。原子力発電をやめるためには、一人一人が変わっていくことが必要。気がつく人が足元から原発の怖ろしさを語り広げていく。人間は地中にある核を掘り出し、更に使用済み核燃料がたくさんあります。多くの自然が汚染されてしまいました。後始末をどうするか。未来へ向けて風化させようとする力に抗い、声を上げ事実を訴え続け、真の復興を求めていきます。
|