7月13日技能文化会館において「男女平等社会の実現を求める要求書」の報告集会が行われました。始めに闘争委員長として宍戸副委員長より挨拶がありました。次に森泉事務局長より過去5年間の男女別育児休暇の取得率などデーターの説明の後に、要求項目について主旨説明がありました。
迫られる選択 昇進と出産
横浜市での職員採用は男女による制限が設けられていないために、職種による男女の差が無い事務職では、23年度採用者数で女性が8%上回っています。総体数比では女性の割合が48%となっていますが管理職率は18%です。係長試験を受けられる29歳頃には出産を考える年齢と重なり、育児に手がかからなくなる頃まで昇進を希望しない女性が多いのが現実です。
《要求項目》女性ポテンシャル発揮プログラム第2期の目標達成に向けて、現状にとどまっている理由を精査し具体的な対策を行うこと。
※女性ポテンシャルプログラム(女性の人材育成・登用に関する方針)
女性に負担が偏る子育て
育児休暇を取得する男性は総取得者の13%程です。取得期間で比べると更に少なくなります。育児休暇期間分の仕事タイムラグは、生涯賃金・退職金はもとより、仕事の経験値に大きく影響します。しかしそれよりも大切な子育ての時間は何者にも変えがたい時間です。子育ての経験値も父と母が公平に増やしていくことが、子どもにとってもより豊かな育ちの時間となるはずです。
《要求項目》男女平等地域社会を実現するために、ワーク・ライフ・バランス憲章を踏まえ、ワーク・ライフ・バランスのさらなる推進体制をはかり、「男女共同参画」の言葉と意味の浸透、男性の育児参加への啓発の具体化をはかること。
《要求項目》男性の育児休業また介護休暇取得を促進するための啓発活動を行うこと。男女ともに育児や介護に関する研修を周知し受ける機会を保障すること。
《要求項目》育児休業などの休職期間の退職金支給算定期間の不利益を解消すること。
職場の協力あっての出産・子育て
出産し3歳になるまでの育児休暇、部分休業や育児短時間勤務。制度は整っていても仕事が立て込んでいたり、異動したばかりで仕事に慣れる事を優先し出産の時期を遅らせた。また休暇を取ることで同僚に負担をかけてしまうと思うと2人目を諦めた。こんな経験を持つ女性は少なくないと聞きます。
また保育園に預けていても病気になりやすい低年齢期は、保育園からの呼び出しや急な発病で休暇を取らざるを得ません。周囲の暖かい理解がないと育児を負担にさえ感じてしまいます。しかし現実はどこの職場も人手が足りずにギリギリの状態です。実際に使いにくい現状では整った制度も「絵に描いた餅」となっています。
《要求項目》働く親への支援として、引き続き待機児童解消に努めること。さらに病児保育を充実すること。
《要求項目》仕事と家庭の両立のために資格取得や出産育児計画を考慮した職場配置、業務調整を行うこと。
《要求項目》臨時・非常勤等職員に育児休業制度を導入すること。
相談しにくいパワハラ
強者が弱者に行うパワハラは、職場では上司や先輩から受ける事が多くなりますが、相談担当も上司であったり、職務内容を理解してもらいにくい立場の人では、相談しにくいものです。またパワハラはセクハラと違い、部下や後輩への指導として行われ、相手を傷つけている自覚が足りない場合もあります。
《要求項目》セクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントについての姿勢を明確にし、それを周知するとともに、幅広く研修を行うこと。相談しやすい窓口を設置すること。
弱い立場に多くいる女性
経済的に弱いまま離婚し、子育てと生活の両立が厳しくなるのは女性が多いことは、男女平等が進んでも変わりません。日本経済が不況になり生活基盤が弱くなると心に傷を持った人が多くなっています。震災など非常時でも性被害にあったり、女性ならば当然の事でも、主導権を持っている男性社会では理解されにくいものです。人間社会では同数の男女です。どのような場面でも女性の参画を増やす必要があります。
《要求項目》シングルマザーやDV被害など一定の支援が必要な女性に対する相談窓口のきめ細かな体制の強化と増員、一時避難、就労支援などの施策を充実すること。
《要求項目》災害時における地域防災拠点運営委員への女性委員を積極的に登用し、女性や弱者の視点にたった対策を講じること。
《要求項目》職場の男女平等を実現するため、労使協議の場を設定すること。
健康で働き続けるために
多少具合が悪くても職場の忙しさを思うと無理に出勤したが、調子が悪くても少し休む場所も無い。健康維持のために自転車やランニングで通勤したくても着替える場所が無い。ガンなど特定健診を受けたくても、人手の足りない状況では職場を空けづらい。ストレス解消には気分転換が第一だが、年休が取りづらい。
《要求項目》快適な職場環境を維持するために、男女別のトイレ、休養スペース、更衣室を設置すること。
《要求項目》労働者の健康保持、家庭生活と職業生活の両立のために、労働時間を短縮させるための具体的施策を行うこと。
《要求項目》年次有給休暇の計画的取得、連続取得を一層促進し、完全取得のための実効ある施策を講じること。
《要求項目》健康で働き続けるために、定期健康診断に婦人科検査、前立腺検査を入れること。
回答としては、ワーク・ライフ・バランスや男性の育児参加について市民や企業に向けた啓発活動などの実施をしています。とありますが実際に男性の育児休業の取得率は少なく大幅に女性に偏っており、復帰後も仕事と育児、家事との両立に苦しんでいるのが現状です。年次有給休暇取得に関しては、年度当初に計画表を配布、特にワーク・ライフ・バランス推進月間である8月においては、年次休暇の取得や連続取得を促進するよう周知しています。とありますが、実際には夏季休暇5日間を連続して使える職場は多くありません。制度は整っていても絵に描いた餅となっているのが実情です。
また臨時・非常勤職員には女性が多くいます。正規職員と同様の制度とすることが必要です。
集会の最後に市民局男女共同参画推進課二見課長より第3次横浜市男女共同参画行動計画について、ワーク・ライフ・バランスへの取組み、男女共同参画の推進、女性への暴力根絶に向けた取組みの説明がありました。
女性部では男女が共にいきいきと仕事と生活を両立できるように、これからも取り組んでいきます。
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