「3・8国際女性デーかながわの集い2012」が3月6日かながわ県民センターでおこなわれ、講演として「ウィメンズネット・こうべ」代表の正井礼子さんから、被災地における女性の人権について報告がありました。
阪神淡路大震災では女性が千人多く亡くなった背景として、単身女性の老いの貧しさから劣悪な住居環境にあり、古い文化住宅に住んでいる人が多かった事や、震災後にはパート労働者の大量解雇があり、多くの女性が仕事を失ないました。
避難所での問題では、子どもが泣いたり騒ぐ声を気にして、避難所では生活しにくく、授乳や着替えるための場所がない。責任者に相談すると「この非常時に何を言っているんだ」と言われてしまう。沢山の生理用品が寄付されても、受付近くに置いてあると持って行きづらく減らないが、女性議員がトイレ側に置くことを提案し置き換えたらすぐに無くなったそうです。
避難所生活は高齢者や障害者には過酷な環境であり、震災後に千人が亡くなりました。
避難所のトイレが不衛生なので、人気の無い住宅のトイレに入ったら集団暴行にあうという、悲惨なレイプ事件も起きています。避難所では深夜眠っている女性の胸を触って歩く老人男性がいたそうです。日本では模倣犯が出るからとレイプ事件を報道しないが、アメリカでは被害者少女も加わって性犯罪防止劇をアメリカ全土で行っているがが、日本では被害者に辛い事は忘れるようにと言い含める事で、反対に心に深く残り、生きる意欲をなくしてしまいます。
必要な対策として、防災マニュアルに女性リーダーを最低3割と具体的に記載し、女性専用の着替えの部屋、授乳室、乳幼児のいる家族の部屋、認知症の人をかかえた家族の部屋、トイレの男女別などをあらかじめ避難所の設置基準に盛り込んでおくことが必要です。
新聞やテレビで美談ばかりが流されていますが、表に出ない部分では弱い立場の人達にとって過度な我慢が強いられている事が報告されました。世の中の半分は女性であるはずが、どんな状況でも少数派として扱われ当然の配慮がなされないのはなぜなのか。重い課題が残った講演会でした。
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