現在進められている、横浜市の新市庁舎建設。5月市会で、民主、自民、公明などの賛成多数で補正予算も成立し、6月に入札が公告され11月には建物を造るゼネコンも決定します。
市庁舎建設は、約25年前の高秀市長時代からの懸案事項。91年に「市庁舎整備審議会」を設置。95年には建設候補地として「港町(現庁舎)地区」「北仲通地区」「MM21高島地区」の3地区が選定されました。その後、バブル崩壊などもあり具体的な進展はありませんでした。
具体的な動きが出てきたのは中田前市長時代の07年、新市庁舎整備構想素案が公表され、翌08年、横浜市中区本町6丁目の土地をUR都市機構から約168億円で購入しました。建設計画では地上32階(高さ約160m)、地下2階を予定。低層階は市民利用スペースに加え、商業施設の入居で年間約2億円の賃料収入を見込んでいます。行政機能のスペースは約59,500m2で、現行の市庁舎+周辺民間ビル借り上げ面積とほぼ同じ。
建設予定地は、北仲通南地区。MM線馬車道駅から徒歩1分。同駅から雨に濡れずに出入りできる計画。アイランドタワーに隣接する場所です。
現在の市庁舎は1959年に竣工(設計は文化勲章を受章した建築家の村野藤吾氏)。当時は京浜東北線も未開通で、市電の停留所があった海側が正面入口になりました。07年度から3年間、62億5千万円をかけて耐震補強工事がなされましたが、水回りや空調、外壁等、老朽化に伴う使い勝手の悪さがあります。また関内地区には約6千人の市職員が働きますが、現庁舎が手狭なため、周辺の24の民間ビルに間借りしている状況で、その賃料も年間22億7千万円にのぼります。
建設費の高騰など不安や懸念も指摘されていますが、現市庁舎の老朽化、職員分散の解消、危機管理の観点からも新市庁舎建設が望まれます。横浜市で働く職員にとっても、重要な課題であることから、横浜市労連、自治労横浜としても昨年5月以降、ほぼ月に一度の割合で、当局から進捗状況の説明を受け、意見交換してきました。
市民・職員にとって有意義な新市庁舎建設を
華美な庁舎を造る必要はまったくありません。様々な意見がある中で、多くの市民に必要性を理解してもらえるように、引き続き丁寧な説明に努めることが大切です。職員が働きやすく、市民に喜ばれ愛される市庁舎となるよう、自治労横浜として意見反映できるよう、必要な取り組みを行っていきます。
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