9月5日付で自衛隊神奈川地方協力本部長から横浜市長あてに、自衛官募集事務について、住民基本台帳の抽出閲覧または紙媒体等による4情報(氏名、生年月日、性別、住所)の提供依頼がありました。この依頼に対し、市民局は総務省に照会し「いずれも閲覧として法令の範囲内」と回答を受けました。しかし、紙媒体等の提供は、横浜市個人情報保護条例の関係で行わないと判断しました。
一方、抽出閲覧については、市民局は法令の範囲内と判断し、必要とするデータのみ抜き出した(抽出)閲覧簿による閲覧方法に変更するとしています。自衛隊はこの閲覧簿から書き写して情報を収集することになるわけです。
市民局の説明では、抽出閲覧で対応する県下の自治体は3自治体(中井町、松田町、山北町)、政令指定都市は4自治体(札幌、仙台、新潟、堺)としています。「法令の解釈としても、抽出閲覧も住民基本台帳法第11条に基づく住民基本台帳の閲覧であり、法令の範囲内でなんら問題ない」と説明しました。
自治労横浜は「法令の範囲か否かが、問題になっているのではない」と抗議しています。安倍政権が進める「戦争のできる国家」に対して、横浜市がその流れに加担してはならないし、そのためには抽出閲覧という従前にくらべ踏み込んだ便宜提供には断固反対すると、11月5日に抗議文を提出しました。
安倍政権は、昨年11月、国家安全保障会議を設置、12月には特定秘密保護法の強行採決、今年4月には武器輸出三原則廃止を閣議決定、7月1日には集団的自衛権行使容認を閣議決定し、「戦争のできる国家」づくりに邁進しています。今回の自衛官募集事務に係る抽出閲覧の背景として、日米同盟による集団的自衛権行使のための軍備拡大が明確に読み取れます。このような状況で、自衛隊増強に対して便宜を与える抽出閲覧に、自治労横浜は反対し抗議していきます。
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