14年3月特例減額は終了
総合的見直し減額ねらう
人事院は昨年8月の人事院報告で、「給与制度の総合的見直し」について早急に結論を得るとし、地域と高齢層の公務員給与水準の引下げなどを検討することを明らかにしました。
政府は昨年11月、公務員給与の取り扱いに関する閣議で「14年3月で特例減額を終了する」を決定。一方で「総人件費の抑制など行財政改革を引き続き着実に推進」するとし、「給与体系の抜本改革に取り組む」ために「早急に具体的な措置を取りまとめるよう、人事院に要請」することにしたのです。これを受け人事院は「給与制度の総合的見直しに向けた検討を早急に進め、必要な勧告を行っていく」という総裁談話を公表しました。
自民党の参院選公約「J−ファイル2013」、2013人事院報告、そして11月閣議決定まで、すべて歩調を合わせて公務員賃金引き下げをねらったもの。人事院・政府は今夏の人事院勧告と同時に勧告、15年4月実施を目論んでいます。
私たちは、これ以上の賃金水準の引下げ、地域間格差の拡大を許すわけにはいきません。
問題点は2つ
(1)地域間配分の見直し
(2)世代間配分の見直し
目的は地方公務員給与引き下げ
今回の「給与制度の総合的見直し」の最大の問題は2つ。(1)地域間の給与配分の見直し、(2)世代間の給与配分の見直し、です。
(1)地域間配分の見直しについて、民間賃金指数の低い県は散在しているにも関わらず、1グループとして新たな較差を生み出す、恣意的な手法です。国家公務員では職員間の配分変更ですが、地方公務員にとっては、賃金水準そのものの引下げに直結します。人件費削減の本当のターゲットは「地方公務員給与費」なのです。
(2)世代間配分の見直し、で、人事院は「50歳台後半層の官民較差は依然として大きい」とし「給与カーブの見直しが必要」と報告しています。
官と民では人事管理が大きく違っています。給与カーブ見直しは、50歳台後半層の大幅賃金引下げにとどまらず、さらに若い世代への影響もありえるものです。
多くの署名を集め、反対の意思表示を
自治労は、他の公務員組合と共同で、1月から見直しに対する要請署名を開始しています。集約した署名は、人事院総裁に提出します。署名は意思表示であり、多くの反対の意思を人事院に見せつけなければなりません。署名へのご協力をお願いします。
自治労は、署名以外にも、人事院勧告期まで、人事院との交渉、中央行動など取り組みを強めていきます。
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