「特定秘密保護法案」は11月26日、衆院本会議で与党とみんなの党の賛成で野党、傍聴者の抗議の中、強行採決されました。12月5日、参議院の参院国家安全保障特別委員会で、慎重審議を求める野党を押し切って採決を強行、12月6日には参院本会議で可決となりました。
特定秘密保護法案には多くの国民が反対し、メディア、労組、市民団体から衆院、参院で採決される度に抗議の声が上がりました。
衆院採決前の11月21日に日比谷公園で開かれた「STOP!『秘密保護法』11・21大集会」には約1万人が参加、参加者が多く、野外音楽堂に入りきれずに、多くの参加者が公園内で待機する状態でした。
集会では、知る権利や表現の自由を侵害する秘密保護法の持つ重大な危険性に警鐘を鳴らし、同法を廃案に追い込む決意をそれぞれの立場でアピールしました。
特定秘密保護法案は、国の安全保障に関して特に重要な情報を「特定秘密」に指定し、それを取り扱う人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人などを処罰することによって、「特定秘密」を守ろうとするものです。
この法案は、国民の知る権利を侵害し、国民主権を形骸化、民主主義の破壊に通じるものです。運用上も、恣意的に情報を「特定秘密」に指定できる、裁判も秘密に行われる、など多くの問題点が指摘されています。法案が成立すれば、市民運動、メディア、国会議員も処罰の対象になり、情報に関わる人は周辺も含めて監視され、国会も司法も手が出せないことになってしまいます。
法案成立には、多くのメディア、労働組合、言論界、市民団体から抗議が寄せられました。連日国会周辺には、廃案を求める市民の抗議行動が続きました。しかし、12月2日には、自民党の石破幹事長は特定秘密保護法案に反対するデモについて「大音量のデモはテロと変わらない」などとブログに書き込み、大問題となりました。まさに、特定秘密保護法の本質が明らかにされた発言と言わなければなりません。
私たちは、特定秘密保護法が国会で可決されても、施行反対や廃止を含め、あらゆる反対運動に取り組み、この国の民主主義を守っていかなければなりません。
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