5月13日の記者会見で枝野官房長官は2013年度まで国家公務員給与の10%削減を表明しました。政府は13日から労働組合との交渉に入り、5月中に労使交渉の決着をめざし、決着後、給与引き下げの関連法案を通常国会に提出する方針。これによって約3千億円を捻出し東日本大震災の復興財源にあてるとしています。
また、5月末に提出予定の公務員制度改革関連法案に、労使交渉による給与改定の仕組みを盛り込む方針です。
13日公務員連絡会が交渉
13日、政府は公務員連絡会に、国家公務員の給与について、「俸給・ボーナス支給額の1割をカットする」との給与引下げ提案を行いました。政府側の代表として片山総務大臣が提案し、公務員連絡会側は棚村議長(国公連合委員長)をはじめ委員長クラス交渉委員が臨みました。
公務員連絡会側は、冒頭、一部のマスコミが「国公にあわせ地方交付税を減額する」などと報道したことに対し、地方公務員等への影響を遮断することが前提であることを大臣に確認させた上で、(1)交渉・協議、合意を基本とすること、(2)自律的労使関係制度や労働基本権を確立するための関係法案の国会提出が前提であること、などを約束させるとともに、提案内容の根拠と削減理由の明確で納得できる説明を迫りながら、一律カットの撤回と再提案を要求しました。公務員連絡会は、今後、交渉体制を一層強化しながら、政府を追及していくことにしています。
「地方公務員に同様の削減を求めるものではない」片山総務大臣
交渉の結果、片山総務大臣は、次のとおり回答し、残余の問題についてはこれからの交渉を通じて話し合っていくことを約束しました。
(1)国家公務員の給与引下げは極めて異例のことであり、できる限り皆さんの理解と納得が必要と考えている。できる限り真摯に対応し、皆さんと合意に達した上で法案を出せるよう努めていきたい。
(2)自律的労使関係制度の確立と労働基本権の回復を実現するための法案と給与削減の問題は密接な関係にあることは十分認識しており、中野公務員制度担当大臣とも連携して、両法案を同時に提出し、成立させるよう政府全体として努力したい。
(3)今回の提案はあくまで国家公務員の給与に関する提案である。地方公務員にも同様に削減を求めるつもりはない。地方自治に基づき、労使で真摯に話し合って決めるという給与決定原則に従うべきと考えている。昨年の人勧取扱いの閣議決定では地方公務員の給与への言及は整理したところであり、旧に復することのないようにしたい。
最後に、棚村議長は「本日の交渉でのわれわれの主張をしっかりと受け止めていただき、再提案及びそのほかの課題について改めて交渉を行うこととし、その際、明確な回答をお願いしたい」と強く求め、交渉を締めくりました。
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